その2 番頭稼業終了後鳴子、南三陸経由で帰宅



はい、Takema番頭がこんな感じで皆さんをお迎えしました。

(2025/10/10-12 その2)

明けて2日目。この日は土曜日であり、一般的な会社員の方々からすれば「三連休の初日」となります。ゆえに午前中を中心に早々と予約が入っておりましたが、前回8月のイベントと合わせてわかったのは「午後はかなりガラガラ」ということです。もしかしたら2026/GWにもまたやるかもしれませんが、狙い目は午後(13:00以降)かなと思います。この時間以降はお蕎麦なしでも承りますので(もちろんありもOK)、まだの方、覚えておいていただけるとありがたいなと。



朝の気温は9.0度、この日は曇り(お天気は下り坂)でした。お盆前のイベントでは「暑い夏ゆえぬる湯でサッパリ」を売りにしていましたが、この時期は「ぬる湯の長湯でポカポカ」を売りにしました。いやホント、38度の湯とはいえ1時間弱浸かっていると身体の芯まで熱が伝わるのでなかなか冷えないんですよ。いわゆるあつ湯にカラスの行水的に浸かっても案外すぐに汗が引いてしまうのとは逆のパターンというわけです。実際この日も複数の方から「ポカポカが長く続きますね」との感想をいただきました。



さて、朝一番で第二浴室(女湯)の湯を抜いての清掃に入りますが、夏に比べて湯花の析出ペースが早いのかな?結構な量の湯花が見られていてちょっとびっくりです。湯の表面には右上画像のような漂い系のものもありましたが、こちらは透明湯設定なので全部清掃しました。

いっぽうで、「にごり湯」を標榜して募集した第一浴室(男湯)ですが、やはり「にごり」といえるほどの新たな(細かな)湯花はあまり析出していませんでした。こりゃ次回からは「湯花多め湯」「透明湯」とに看板を掛け替える必要がありそうです。





で、右上画像は何かといいますと、今シーズンは湯小屋周辺にイノシシが頻繁に出没しているそうなのです(Takemaは見ていませんが)。で、鼻で土をほじくってミミズなどの餌を探して食べるそうなのですが、問題はその土。小屋前の駒の湯ガーデンや,駐車場北側の植樹帯などは掘り返した上で土を入れていますから土が軟らかいし、腐葉土や肥料も撒いていますからミミズなどの餌も豊富。

このことがイノシシ軍団にばれてしまったようで、とにかく掘り返されるばかり。雨が降れば掘り返された土は流れてしまうので、ご覧のとおり植えてあった植物は根が露出するし、植樹の木は傾いてしまって冬を乗り切れるか心配なほどなのだそうです。

いっぽうで毒気のある水仙の界隈には手を出さないなど彼らも危険を察知しているようですが、ガーデンはともかく植樹は県も絡んだ事業なので、電気柵の設置をお願いしているそうです。一向に設置工事開始の気配はないようですが(緊急性の点から後回しになっているのでしょう)。でもねぇ‥ちょっと悲しいお話です。

なお熊については、生息の気配はあるそうですが温泉周辺での目撃情報はないようです。もっとも近隣の荒砥沢ダム周辺にて襲撃による行方不明事件が起きていたり、栗駒山登山道周辺でも目撃情報があるようですから普通に安全ということでもないわけですが‥。



それはともかくとして駐車場にお客さんの車が並ぶ光景を目にするのも久しぶりのような気がします。コロナ前、日帰り営業をしていた夏にお手伝いに来たときは、それこそ多いときには20台近くの車やバイクで大賑わい(つまりはてんてこ舞い)だったときのことをふと思い出しました。

午後になり予約のお客さんをさばききったところで賄いのお昼ごはんは当然お蕎麦。ツルツルとした喉ごしの十割蕎麦です(機械打ちです)。今回は夏のイベント時に比べれば多少予約に余裕がありましたので、前の時間の予約がない状況で早め到着のお客さんには「フライング入浴」(時間前から入浴OK、終了時間は本来の終了時間まで)を楽しんでもいただけましたし、湯守ご夫妻もお客さんとの会話を楽しむ時間が取れたようで良かったヨカッタ。ちなみに最後のお客さんはTakemaの温泉師匠でした。

さて、この日のTakemaはいつものように東鳴子温泉宿泊なのですが、駒の湯出発前にお風呂に入れていただくのはいつものことです(滞在費はお支払いしています)。今回は、にごり湯と称していた男湯に入れていただくことに。もうにごりの細かな湯花の浮遊はほぼないので‥





ま、これはこれでいいんじゃないですかね。ちなみに今回、こちらの方が人気が高かったです。もちろん片方はいつもの通り「透明湯」にしますが。

さてそんなわけで駒の湯を出発しまして東鳴子へ。今回は予約時期がやや遅かったこともあり、阿部旅館はもちろんのこと(しばらくおじゃましてないなぁ)、砂善旅館ももう満室。あ、高友旅館は去年のトラウマがあるので確認はしませんでした(苦笑)。調べていくうちに勘七湯に空きがあることがわかり素泊まりで予約しておいたわけです。



一番安いプラン(トイレ共同)での予約でしたが、チェックイン時に(前払い)ご主人が「実はトイレ付きの部屋にキャンセルが出まして、お客さんを含めたソロ客3人のどなたかをアップグレードしようと考えたのですよ」とのことでした。で、ご主人は続けて‥



とのことでした。そうかぁ、61歳ともなるとそういうことにもなるんだなと嬉しや複雑だったりしますが、ま、ありがたいことです。そうそう、まだほぼ利用したことがないですが60歳を超えると一部でシニア割引とかもあったりするんですよね。気分的にはまだジジイ感は自覚しませんが、足もちょっと引きずってるし、端から見れば「しっかり高齢者」なのでしょう。まぁしゃーない(笑)。

さて、暗くなる前にお風呂に行きましょう(さっき駒の湯に入ったばかりですが泉質が全然違うので)。小浴室の不老泉が推しのようですが、先客さんありだったのでとりあえず大浴場へ。ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉の共同源泉です。



これまで勘七湯には立ち寄りで一度しか入ったことがなかったのですが(2013年)、確かその時はこちらの大浴室しか入らなかったのではないかなと思って調べてみたらやはりそうでした(この時です)。その時は湯がかなり透明味を帯びていてあっさりとした浴感と書いていましたが、やはり温泉は生き物で、この日はうっすらと濁っていて、





さて夕食はいつものように八兆さんを予約しているのですが(1人なのでカウンター)、暗くなる前にちょっと行ってみたい場所がありましたんで一投足。





前回(2025/8)の訪問時にはとにかく渇水でダムの底も見えていた状況だったのですが(この時です)、確かあの時は9月に入ってもまだ渇水状態が続き、結局最低水位(231.00m)に回復するまでひと月半ほどかかってしまったのだとか。

そしてこの日は‥





そんな過去最大の渇水にもかかわらず、流域の田畑に水を供給するために(田んぼでは出穂期のため水が必要)緊急放流を実施していたそうです(最低水位以下でも水は流せるようです)。やるなぁ頑張ったなぁ鳴子ダム。さてこのあとは宿に戻り、ここからは歩いて八兆へ。



19:00の予約だったので到着時にはすでに暗くなっていました。温泉師匠から「今日ならあの人がいるかな?」と言われていましたが誰だかは不明で、カウンター席につき注文を終わらせるまできょろきょろもしなかったのでありました。お隣のお二人は何やら専門的な話で盛り上がっているようでしたが‥ん?このお声は?とふと気づきお隣を見てみると‥



ハイ、ITエンジニアであり、鉄道乗りつぶしアプリの開発者&自身も乗りつぶシストでもあり(こんな言葉あるのか)、激辛嗜好者でもあり、そして隙あらばあちこちにお出かけしているいずみさんがおられたわけであります。

実はいずみさんは自分が先日脊柱管狭窄症手術のために入院した病院患者としての「先輩」でありまして(症例は異なりましたが)、実は同じ先生が執刀医だったことがわかっていました。その話を振ってみると(当然いずみさんはTakemaの入院についてはご存じありませんでしたが)、術後数年経つが再発の気配はないということ、それと「ここでは勝手に書けない」手術に関する逸話を披露していただき笑わせてもらいました。ええなるほどそうですよね確かに(しみじみ納得)。



この日は1人だったので「ハーフ&ハーフ」で注文しました。



パクパク美味しくいただきましたが、最後に
出てきた謎肉の出自は謎のままだったっけ。
食べやすかったので「キョン」かなと類推。


この後は雨のなか宿に戻って(昨年GWの轍を踏まぬようあまり飲んでいません。というかあの時も八兆から戻ってきたときはまだ普通だったんです。宿でさらに飲んだのが余計だった)、さて焼肉臭を洗い流しにいきましょう。



今度は小浴場の不老泉です。大浴場とは源泉が異なり、お宿のイチ推し湯なので期待して浸かります。





というわけでこの後当然翌朝も含めてこちらに浸かりました。なるほど大浴場だけだとあまり個性も強くないですがこちらはいいですねぇ、さすが東鳴子の湯だ。

さて翌朝は朝8時に到着できるように朝食会場へと「車で」向かいました。勘七湯も素泊まり予約だったので、朝食はいつもの「すがわら分店765」です。店主のカンアヤさん、そしてお友だちのユミさんとは2ヶ月前に駒の湯でともに働いた「同志」でもあります(笑)。



ちなみにTakemaは「朝は必ず食べる派」なのでありますが、普段はその量もかなり少ないのです。「一汁一菜」とはよくいう語ですが、実際には「卵かけご飯と漬け物 or 塩辛少量」という感じですから「一菜」だけですね(苦笑)。

それに比べれば右上画像の「おにぎりの具定食」が以下に贅沢な具沢山であることか!でもご覧のとおりご飯の量はぐんと減らしてもらいました。朝ごはんとしてはこれで十二分、ごちそうさまでした。また「昼飲み」もしたいなぁ。



お宿に戻って最後にもうひとっ風呂浴び(当然不老泉)、湯上がりに新聞を見ていると、クマ被害の記事が。本当に今年は多いなぁと思って読み進めたら、駒の湯至近のくりこま荘さんへのインタビュー記事が出ていました。まぁこのご時世ゆえ仕方もないことですが大変だなぁと。ここ東鳴子界隈でも阿部旅館さんの裏手あたりにはクマの気配もあるとかだし‥。



栗だんごの仕込み中ゆえ工場脇からはモウモウたる湯気が。

さて帰路につきますが、この日は三連休の中日なので焦って戻る必要はありません(渋滞には巻き込まれそうですが)。というわけで毎度のなるみさんで栗だんご系のおみやげを2セット購入。1つはわが家用、もう1つはいつものあちらのお店にお渡しします。



この道を通るのは初めてで、途中道の駅みなみかたに立ち寄りました。とりあえず地元産のお米と、もう10月中旬になろうというのにまだイチジクが売られていたので購入(300円は安い!)。ちなみにまだ青いものもありますがちゃんと食べられましたよ。

なおイチジクは収穫後に追熟しない果物といわれていますが、やや未熟な実を甘くする方法として「実の先の部分(の穴)に植物油を2滴ほど注す」というやり方があるようです(ソースはこちら)。十分はやっていないので真偽は不明ですが、来シーズンに試してみようかな?

というわけで南三陸町志津川までやってきましたが、まだ11時まで間があるので役場の方を回っていきます。このあたりは高台にあり津波の被害を受けなかったところで、現在では周辺にも大規模に開発の手が入り、病院などの公共施設や住宅地などが整備されています。そのうちの昔からあったエリアに、利用した記憶のあるコンビニが



ローソン南三陸志津川店。震災から何年か経ったころ志津川を訪問し、低地部分はまだがれき撤去が終わった程度でかさ上げは手つかず、ほとんど何もありませんでしたが、高台のこのお店は営業していて、「被災地でお金を使いたかった」自分はこのお店でタバコ1カートンを購入したのでした。

いや志津川に限らず、被災地訪問の初期はまだ地元で買えるものも場所も非常に少なく、そのため大槌(吉里吉里)とか大船渡ほかあちこちでタバコのカートン買いをした記憶があります。たばこ税の一部は地元自治体の直接収入となりますからちょうどいいかと考えたわけです。

というわけで、見かけ上はずいぶんと復興した南三陸町ですが、財政的には当然余裕があるわけでもないでしょうから、久々にカートン買いをして、ついでにお店前で一服(灰皿あり)。



このあと荒島前の駐車場で時間調整。観洋にもまた泊まりたいな。




(外壁の看板、新調なさったようですね)



というわけでホール担当の奥さまにご挨拶。すぐさま厨房のご主人に「Takemaさんが見えたよ」と伝えてくださりその直後、



『愛人と‥』の文言は当時の奥さまによるお言葉ですが、もう時間も経ちましたからいいでしょう、ご主人はその頃体調を崩して入院なさっていたわけです。実は懸念される点もあったそうなのですが詳しくは書きません。ただ、



とのことで、「お店を一刻も早く通常営業に戻さなければ!」というご主人の強いお気持ちが伝わってきました(入院期間中は海鮮系の料理を全て提供中止していたのです)。というわけでさすがに今回は「松食うどん」は注文せず(美味しいんですけれどね)、「海鮮」の王道を堂々と注文します!







最近のTakemaはお刺身ばかりだと最後の方でやや食傷気味な気分になることもあり(ジジイ化)、その点からもこのメニューは有り難いのです。食事後にはコーヒーをいただき、ゆっくりまったりとしたお昼時です。奥さまともそこそこお話しすることができましてよしよし。またおじゃまします!



さてこのあとは急ぐ必要もないのでさんさん商店街に立ち寄り、食後のデザートとしてずんだ風味の餅(牛皮)入りジェラートをいただきました。場内のミニストップは閉店しちゃったようですね。信号はす向かいのセブンとの競合に敗れたということでしょうか(車での立ち寄りやすさでは向こうの方が便利ですし)。

さてGSでマソリンガンタン給油の上でそのまま高速へ。



途中矢本PAにてトイレストップとしましたが、下り線のPAに比べてやたらに賑わっているなと思ったら、上り線のみ「道の駅東松島」との併設なんですね。施設内には場所柄(東松島基地あり)「VRブルーインパルス飛行体験」などもあったりして、おしんこどん同行ならやったでしょうが今回はパスしました(混んでいたことも理由です)。

 

左上画像はならはPAに掲示されていた書額ですが、何だか同じような内容を以前どこかで‥と思ったら、中国南宋時代の『緑窓新話』という古書に同じような言葉がありました。いわく、

『天(帝)高しと雖も甚だ卑(ひく)きを聴く。苟(いやしく)も志有れば、(天帝も)亦(また)人の願ひに従はん』

というくだりでありました。赤字のあたりが思い出されたわけです。

さて、上りの常磐道は茨城県内でかなり渋滞しており、東松島からは2回休憩で5時間30分ほどかかり、千葉の自宅に到着したのは19時20分ころでした。まぁ予想通りだし翌日もお休みなので気楽です。今回の走行は1000kmちょいでしたが、志津川立ち寄りを除けばほぼ高速道路の走行距離ですね。というわけで「秋の駒の湯臨時予約開放お手伝い」編、これにて終了です。

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