その1 深夜特急で駒の湯へ、まずは初日をこなします。



あー、色濃く紅葉してますね。でもまだ登ったことはない(苦笑)。

(2025/10/10-12 その1 もくじページ)

さて、8月に引き続き10月にも「駒の湯臨時一般開放(事前予約制)」というイベントを組んだTakemaでありました。栗駒山の中腹に位置する駒の湯温泉はコロナ禍以降会員以外の入浴を受け付けていないのですが(休業中)、湯守ご夫妻のご厚意により「Takemaが事前予約を手配管理して現地で案内するなら開放しますよ」というご許可をいただいております。自分が駒の湯ご夫妻とお客さんとの間に入る‥要は旅行会社的な立場のコーディネーターとなるわけです。ただしマージンは一切なしのボランティアですが。えぇ、好きでやらせてもらうのだからいいのです!

ただし今回の開放日設定もわがままでした。世間的には10/11-13が土日月の三連休だったわけですが、開放日はその前日(平日)の10/10と11日の土曜日のみ。連休中日の12日を開放日としなかったのです。これはジジイ化しつつあるTakemaのわがままで、「10日の金曜日は自分の休みなので早入りして開放、11日は普通にやるとして12日のうちに千葉の自宅に戻り、13日はゆっくり休みたいなぁ」と思ったからなのです。

また、湯守夫妻も「あまり詰め詰めの予約にはしたくない」という思いがあるようで(手が回らなくなる可能性あり)、今回も結果としては「空き時間はある状況での事前予約終了」となりました。まぁこれでいいのかなと。なお今回の募集についてはこのような形で行っていました。またツイッターX上のみでの募集でしたし、おそらく今後もこのやり方を踏襲すると思います。

さてそれでは千葉から出発です。あ、今回はおしんこどんは(お祭りのため)同行せず、Takemaの単独行でありました。



10/9(木)、普通に仕事を終えて帰宅し、荷物を積み込んで常磐道を北上します。ならはPAで仮眠しようと思ったのですが、別に全然眠くもなかったのでトイレと喫煙だけですぐに出発しました。ただ相双エリアともしばらくご無沙汰しているので、そろそろまたおじゃましたいなぁ。



鳥の海PAでも休憩。だいぶ空が明るくなってきました。

鳥の海でそこそこ仮眠を取った上で当初の予定休憩地であった東北道の長者原SAへ。なぜここを予定休憩地と考えていたかというと、仙台よりも北に位置するとはいえこの界隈は東北道の中間地点近くであるがゆえにドライバー各氏の需要が多いのか、ここの食堂は何と24h営業なのですよ。

GWなどは閖上朝市の営業を狙って先入りするTakemaですが、平日なのでそれも叶わず、かといって高速を下りてからコンビニおむすびというのもねぇというわけで、休憩地というか朝ごはん予定地だったというわけです。



ハイ、長者原SAにてめでたく日の出となりました。



朝ごはんは牛タン丼。ご飯は少なめにしてもらいました。

それにしても、まだ日の出直後だというのにそこそこのお客さんが出入りしていました(6時前)。「ここなら食べられる」ということを知っているプロドライバーの御用達なのでしょう、なおそこそこ美味しかったですよ♪

このあとは若柳金成ICで高速を下りて一路駒の湯へ‥なのですが、さすがに早すぎなのでちょっと寄り道です。





その昔、小学生の頃から時刻表を眺めていて(必修クラブで「地図旅行クラブ」に属していたので時刻表は手元にあった)、「石越周辺は大きな都市でもなさそうなのに、何で私鉄路線があるのだろう?」(当時は『栗原電鉄』)と気になっていた記憶があります。

当時の自分は知らなかったのですが、地方私鉄の場合その出発点が鉱山貨物輸送にあることが多かったようで、この路線も細倉鉱山からの鉛や亜鉛ほかの出荷を主目的にしていたようです。同様な例として秋田県の旧小坂鉄道が挙げられます。

しかし栗原電鉄も(早々と電化したにもかかわらず)鉱山の運営が斜陽化するにつれて経営は厳しさを増し、三セク化されたあとは経費節減のため電化を廃止してディーゼルカー(上画像)による運行に切り替えましたが、結局2007年に路線廃止となったわけです。

ただ、旧若柳駅(車両基地があった)の一帯は動態保存車両の拠点として残され、今も春から秋にかけては乗車会が開かれています。あ、そういえばその昔、同じく動態保存となったふるさと銀河線(北海道)の陸別駅構内でディーゼルカーを運転したことがあったなぁ(遠い目=この時です)。



駅の隣には直売所くりでんがあり、まだ開店前でしたが車を駐めさせてもらって駅周辺を見学です。駅舎は古いながらもしっかり手が入れられていて(乗車会の時は実際に使ってもいるでしょうし)、廃駅という感じはしません。そしてあちこちの角度から見ていくと‥



このディーゼルカーには現役時代見覚えがありますし、何なら車内に入ったこともあります(マインパーク駅にて見学=この時です)。当時、せっかくなら乗車利用もしたかったのですが、車で立ち寄っただけだったので残念でした。



ん?パンタグラフ付きの電車!1995年に電化が廃止される前まで走っていた車両でしょう。保存状態も屋根があるおかげで良さそうですが、もはや走らせることは出来ませんね。そもそもここ若柳駅の西側には車止めが設置され、この先には物理的にも行くことができません。

ただ、ここから細倉マインパーク方面に伸びていた線路ですが、実はその多くのレールは現在も撤去されずに残っています。中には架線柱や踏切もほぼそのまま残っているところも。もちろん「いつかの運行再開のために」というのではなく経費節減のためだったのでしょうが、この残った線路路盤が今も「くりでん」の所有であるならば‥



それも可能であれば自転車方式ではなく、旧美幸線のレールバイクのように「エンジン付き」だといいなぁ(経費は掛かりますが)。土日祝運行となれば、そこそこ人は呼べるのでは?(地の利は別に悪くないですし)。それこそ田んぼの中をトコトコと走るのはなかなか他のレールバイクにはない特徴となるのではないかと思いますがどんなものでしょうかね。

さて、まだ時間的に余裕があったのでこちらに立ち寄ったわけですが、いよいよ駒の湯に向けて進んでいきましょう。今日は市道経由にします。と‥




(ねじりほんにょについて詳しくはこちら



市道は県道に比べて道も細いのですが、途中栗駒山の展望地が2ヶ所あり、特に一ヶ所はなかなかの展望だったのですが、今回は高台に向かう取り付け道路が草ボウボウだったので断念し、橋上からの撮影としました。そもそもあそこは私有地だったのかもしれませんし、今後は入れなくなるかなぁ。





ただ、このエリアにはキナ臭い情報もありました。訪問日1週間前の2025/10/3、ここから荒砥沢ダム方面に下る道路からほど近いところでキノコ採りをしていた方々が熊に襲われ、1人が死亡し、もう1人はこのページをタイプしている11月中旬になってもいまだ行方不明のままなのです。

駒の湯からはかなり離れた場所ではありますが、熊の行動範囲は広いといいますし、いまだに不明者を発見できていないというのはかなり厄介な案件でもあります。下手に熊が味を占めたりすると今後とも熊対策に神経を尖らせなければいけないわけで‥。

駒の湯十字路(勝手に命名)まできたところで少し県道を下り、畑の脇からも写真を撮りに行きました。











手前の看板には「休業」という貼り紙が。これ、8月の開放日が終了したときにおしんこどんが貼りつけたものですが(その時の様子はこちら)、今回はあえて外さず、予約を下さった方には「『休業』とありますがそのまま進んで下さい。その先にはA型ゲートと三角コーンとで道路が塞いでありますが、コーンを移動して(通過後はコーンを元の位置に戻して)下さい」と伝えてありました。無許可でコーンをずらして侵入する人はいないと思うので。

実は8月にはコーンを脇に置いて通れるようにしていたところ、無予約の方が入ってきてしまいました。その対策というわけです。こういう人、ご夫妻だけだとびっくりするだろうなぁ。世の中いい人ばかりじゃないですし(右上画像マウスオーバーで掲示物の拡大画像に変わりますが、こう書いてあっても入ろうとする人は入り込んでくるのです)。





湯守ご夫妻もすでに準備に入っていました。とはいえこの時点でまだ9時前なので、10時からの営業には余裕‥いやちょっと待て、第二浴室(女湯)は湯を抜いて清掃しなきゃなのです!








(45分ほどでオーバーフローします)。

ところで「女湯はともかく、男湯の掃除はどうしたの?」という疑問をお持ちの方もおられると思いますが‥今回は「とあるお試し企画」の関係で男湯の掃除はしませんでした。というか正しくは‥



ご存じの方はほぼおられないと思いますが、透明湯に見える駒の湯の源泉は空気に触れると湯花の析出が顕著になり、そのため1晩でもそこそこ湯花が舞う(湯底に沈殿する)ようになってしまいます。

そのため被災前はもちろんのこと、現在の湯小屋での営業を再開した後も、「毎日湯を抜いての完全清掃は必須」だったわけなのです。休業中の冬期でさえも、源泉地からのパイプの詰まりを抑止するため1-2週おきに「雪を踏み分けてのパイプ清掃」を行っているほどです。浴槽にも湯を流し込んでいるわけですが(オーバーフローはさせない=洗い場まで湯花地獄になってしまうので)、お手伝い人たるTakemaはそんな営業期間前の浴槽にも浸かったことが何度かあります。その情景が下の画像です。




(この時のページはこちら 2018/3)

湯守としては「駒の湯の新鮮湯を楽しんでほしい」という思いから透明湯にこだわりを持って維持管理をなさってきたはずですが、温泉ファンの端くれたるTakemaとしてはちょっと別の思いもありました。それは‥



そんな思いから、今回は第一湯小屋(男湯)については湯守の同意を得て一週間前の清掃後から湯を流しっぱなしにしていただきました。そしてこの日の男湯はといえば‥









これに浸かってみれば「浸かればわかるさ」という故猪木師匠のお言葉通りとなること必定です(何のこっちゃ)。でも後から振り返れば予想とはちょっと違った結果となったのですけれどね(後述)。

ところで少し話は変わります。コロナ禍とともに立ち寄り(日帰り)入浴を休止した駒の湯ですが、コロナが一応の安定を見せている今なお(実際は終息したわけでもないですし、またインフルの早期流行もありTakemaは最近再び職場ではマスクを着用しています)、駒の湯は一般の立ち寄り入浴を休止したままです。

そしてここで事情を多少知っているTakemaが申し上げます。


その理由として第一に「いつ来るかわからない立ち寄りのお客さんを待つことにより自分たちの仕事や所用に時間が割けなくなる」こと(薪作りや地区の仕事など)、そしていざやってきたお客さんにしても「駒の湯の諸事情を知らない方々の対応に気疲れすること」(ぬるい!とかシャワーがない!とか)もあり、湯守も喜寿を迎えた現状ではかつてのような営業スタイルが難しいということのようです。

でもそれならそれでいいと思うTakemaです。これまでは「お客さんにきてもらってナンボ」の世界だったのかもしれませんが、これからは「お客を選ぶ」駒の湯に、つまりは



というような営業スタイルでいいんじゃないかなとTakema自身も思う次第です。

なお今回のTakema臨時番頭イベントにおいてはあえて食事付き&湯小屋1時間貸し切りのセット(2人以上の場合2500円/人)としました。これにも理由がありまして、近隣の入浴施設(というかくりこま荘とハイルザームですが)と別のサービスを設けることにより、入浴料を揃えなくてよいようにしたかったのです。

いや別に入浴料についての地域協定があるわけでもないのですが、そもそも完全かけ流しとはいえシャワーもない現行の駒の湯ですから、温泉だけだとある意味一般的には見劣りするのも事実です。だから「駒の湯温泉を目指してくる」方々にはじっくりと浸かり、湯上がりには湯守特製のお蕎麦と野菜天ぷらで「身体もお腹も、そして気持ちも」湯ったり満足していただきたいと考えたわけです。天ぷら付きについては最初(8月)湯守も「手が回るだろうか」と一抹の不安があったそうですが、各時間フルブッキングでなければ大丈夫だということで今回も同様にさせていただきました。

たぶん今後も同様のスタンスで募集をかけることがあると思います。次回はたぶん2026GW後半の初日あたりです(全日ではありません。たぶん1日だけかと)。




(だといいのですが‥)

さて、この日「いの一番」(死語)のお客さんは、8月のイベント時にもお越しいただいた「たこやきさんペア」でありました。今回「にごり湯」という企画に最初に食い付いて下さいました(嬉)。もちろん一番湯です。

湯上がりには前回8月の時に「湯上がりの天ぷら&蕎麦」画像を取り損ねたTakemaでしたので、今回はたこやきさんたちに提供された食事画像を撮らせていただきました(感謝)。






というか近年は各温泉地における日帰り入浴料も値上がり傾向にあるというか以前が安すぎたというか、今や800円とか1000円とかいうのも普通になりつつあります。高くなったなと思う半面今までが安すぎたのも事実なので、これはこれで自分としては納得しています。貸し切り入浴となると1時間で3000円というのも今や普通ですし。

ところでたこやきさん一行が入浴されたあと「にごり湯」の清掃に入ったところ、ちょっと予想外の状況にびっくりしました。



そうなのです。湯の中で長く舞いやすい「細かく軽い白湯花」は最初のオーバーフローとともに流れ出してしまったようで、浴槽内は案外に透明な湯と大きく重たげな白湯花(オーバーフローしにくい)が残されている感じでありました。かき回せばそこそこの湯花が舞う状況ではありますが、こりゃ「にごり湯」とはいいにくいかもなぁ。

というわけでこの後のにごり湯所望の方々には入浴前その旨を申し添えましたが、幸い苦情を訴える方は1人もおられませんでした。さすが聖なる温泉ファンの方々です(感謝)。あ、浴槽底の湯花巻き上げショーをタンノーしたのかもしれないな(笑)。



この日はワンちゃん連れのご夫妻にもお越しいただきました。右のワンワン、もしかして?と思ってうかがうと「ええ、おっしゃるとおり秋田犬です」と教えてくださいました。何となく今は亡き「わさお」にも似ているような。ちなみに左のワンワンも秋田犬だそうですが、こちらだけだとわからなかったかもしれないワン。

さてしかし、ご主人夫妻の帰りを実に神妙に待っていたお犬様たちではありましたが‥お風呂に1時間、そこからお蕎麦ランチ&珈琲タイムを含めて待ち続けるとなると‥





ま、この日は晴れベースとはいえ気温もそれほど高くなく(だからぬる湯の長湯がサイコーだったわけですが!)、ワンワンもアスファルトの上とかでなく寛げたのはよかったかな?ちなみに両犬とも待っている間は一度も吠えずで立派でした。ご主人が戻ってきたら若い茶犬くんが「お帰りー、待ってたよ(待ちくたびれたぁ!)」とばかりの嬉しそうさアピール♪ほのぼのしました。

さて午後もそこそこ過ぎたところでこの日の予約も終了しました。というわけで湯守のご自宅に移動して薪作り作業に移行しましたよ。



とりあえずこいつらを割ってやっつけるわけですが、いかんせんTakemaの腰はまだ全然万全でもないので湯守も気を遣って下さいました(年上なのに‥)。でもひと月前に比べればだいぶマシにはなってきたんですが。



こんなに太い丸太でもしっかり割れてしまうのですから、今の薪割り機は優秀です(エンジン式)。日暮れ前に作業を終えて3人で乾杯!というわけで初日終了です。自分で言うのも何ですが、この日は深夜運転の寝不足にもかかわらずそこそこ頑張ったぞ。



ちなみにこの日の朝はそこそこ冷えていたようです。というわけでお風呂(女湯というか第二浴室)にのんびりと浸かって寝ましょうかね。

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